津波は川をさかのぼって街へ
沿岸に到達した津波はその後、県内の7つの河川をさかのぼり、街にも押し寄せます。
富山大学 竹内章名誉教授:
「沿岸に最大波高2メートル、3メートルの津波がやってきますよね」

「そうするとその波は河口から河川に入り込んでいきます。波は水位があればあるほど、どんどん川を遡上していく」

富山県は、北陸地方の中でも特に津波到達までの時間が短いといいます。
その理由は…。
富山大学 竹内章名誉教授:
「これは海底の断層が(沿岸と)非常に近いということですね」
呉羽山断層は、海と陸をまたいで走るいわゆる「海陸断層」で、沿岸との距離が近く、津波の到達時間が短いのです。

さらに富山湾は、 能登半島や佐渡島に挟まれ、津波が湾の外に広がらずに何度も沿岸に打ち寄せるといいます。
呉羽山断層の痕跡を竹内名誉教授とともに訪ねました。

富山大学 竹内章名誉教授:
「あのカーブミラーのところ…ここなんだけれど」

「家の基礎がですね、ブロック塀の下の基礎がななめになっているでしょ」
市街地にあるブロック塀。そこに沿って道路がななめになっています。これが、かつて呉羽山断層帯が動いた痕跡だといいます。

さらに別の場所でも。

富山大学 竹内章名誉教授:
「この電柱のあたりから傾斜がわかるようになります。歩き始めた平らなところから今立っているところまで、高さの差が2.4メートルという結果になりました」

呉羽山断層が全長34キロにわたって上下にずれたのです。

ずれの大きさは、平均で2メートルほどですが、この断層は市の中心部に走っています。
