「老舗」というと「ひとつのブランドを大事に守り抜く」。そんなイメージがありますが、富山市の老舗菓子店がたて続けに新作を発表しています。その背景にあるのは原料価格の高騰。どういうことなんでしょうか。

今年で創業60周年を迎えるスイーツ専門店ボン・リブラン。県民に長く親しまれる和洋菓子にも値上げの波が直撃しています。

ボン・リブラン 津幡善子営業本部長:「2倍3倍とか。「ほんの少し」という状況ではなくなってきていますね」

スイーツの主な材料は去年から軒並み値上げ。特に最近は電気代の高騰が重くのしかかっているといい、やむを得ず一部の商品を値上げしたといいますが…。

ボン・リブラン 津幡善子営業本部長:「(商品の)値上げという形でお願いするだけでは、お客様もお買い上げにくくなってしまいますので。ここは新商品の開発ということで対応していくのが1番ではないかと」

そこで…。

ボン・リブラン 津幡善子営業本部長:「ずっとプレーン1本でこちらの商品は出していたんですけど…」

富山名物・甘金丹(かんこんたん)。なめらかなカスタードクリームとしっとりとした蒸しケーキの優しい味わいが人気のこちらの商品に新たに4つの味が加わりました。

ボン・リブラン 津幡善子営業本部長:「ピスタチオといちご、富山県産の米粉を使った米粉とゆず、黒ゴマとしょうゆ」

ラズベリーソースがアクセントとなった贅沢な味わいの「ピスタチオ」やもちっとした食感が特徴の「米粉とゆず」など和から洋まで多彩な味を楽しむことができます。

プレーンより20円ほど値上げしましたが、斬新な味わいでギフトとしても利用しやすいことから
人気を集めているということです。

そして甘金丹と並んでリブランを代表するのが、富也萬(とやまん)。こちらも、この冬「生富也萬(なま・とやまん)」としてブラッシュアップしました。

ボン・リブラン 津幡善子営業本部長:「富也萬のあんのおいしさをより手軽に召し上がっていただきたい」

ギフト用に開発された富也萬のコンセプトを変更。

価格は1個248円に設定し、あっさりとしたさらしあんに合うミルキーなクリームたっぷりのデザートを目指しました。

ボン・リブラン 津幡善子営業本部長:「35年くらいは今まで変えてこなかったので、大きいチャレンジだったなと思うんですけども」

先月発売を開始したばかりですが売れ行きは好調だといいます。

お客さん:「クリームも入ってやわらかい、まろやかな感じ」

値上げが相次ぐ中、老舗は知恵を絞ってこの苦境を乗り越えようとしています。

ボン・リブラン 津幡善子営業本部長:「社会、世界情勢も含めて環境がどんどん変化してまいりますので、新しいことにチャレンジしてお客様においしいものをお届けできるようにがんばりたいと思います」