犯行時の精神状態は…
新しい犬を飼うことをめぐって近所の人の反対にあったことで“行動爆発”を起こし、「現住建造物等放火」という重い事件を起こした越前被告の裁判。長谷川医師は、越前被告の「情緒不安定性パーソナリティー障害」に影響について証言しました。

長谷川医師:「被告は非常に感情が不安定でささいなことで泣き叫んだりものを投げたりします。今回の放火も結果を考えなかった。まさに情緒不安定性パーソナリティー障害にあてはまります」
放火という犯行について“障害”の影響があると証言したのです。一方、検察官から犯行時の精神状態について問われると…。

長谷川医師:「自分の行動の意思はそこまで失われていません」

検察官:「被告は一連の行為を認識していた?」
長谷川医師:「(認識)していたと思います。犯行時に意識障害は認められない。頭に血が上りすぎてかっとなっていたが、被告に話を聞くと、記憶がなくなっているというわけではない」
検察官:「結果の重大性が失われることはあるのか?」
長谷川医師:「とにかく深く考えずにマッチに火をつけたのだと思います」

検察官:「被告はわざとではない、わかりませんという発言をしていますが」
長谷川医師:「結果の重大性を受け入れていない。明らかにやったことではあるが、自分を守るために、その発言をしたんじゃないか。うそをついているというわけではないが…」
最後に細野高広裁判長が長谷川医師に問いかけました。
細野裁判長:「(長谷川医師は)普通の人も行動爆発を起こすとおっしゃいましたが、被告人の行動爆発との違いは何ですか?」
長谷川医師:「大きな違いはないですが、普通の人は我慢できることも、情緒不安定性パーソナリティー障害を持っている人は、激高したり…そういった違いはあると思います」