今年もあっという間に12月。クリスマスに年末の大掃除、新年を迎える準備などなにかと忙しい年末ですね。そんな中、街の人から多く聞かれるのが「1年が経つのが早く感じる」という声です。

なぜ年を重ねるごとに時間の経過が早く感じるのでしょうか。この謎を解くカギは「記憶に残る出来事の数」にあると、時間知覚を研究する富山県立大学の岡崎聡講師は指摘します。

この現象を説明する興味深い実験があります。まず、ボールが一度だけ動く短い動画を見せます。次に、同じ長さでバスケットボールを何度もドリブルする動画を見せます。

多くの人は、情報量の多い後者の動画を「長い」と感じます。これは、脳が記憶する「出来事」の数が多いほど、時間を長く認識するためです。

子どもの頃は毎日が新しい発見や初めての体験、つまり「出来事」の連続です。

しかし、大人になると生活がパターン化し、新鮮な経験が減少。結果として、1年間に記憶に残る「出来事」が少なくなり、「今年もあっという間だった」という感覚につながるのです。

では、どうすれば体感時間を豊かにできるのでしょうか。