岐阜県から富山県にかけて流れる庄川の上流域に予定されている産業廃棄物の最終処分場の計画で、反対運動が本格化しています。下流域にあたる富山県西部の農協や自治会などからなる協議会が総会を開き、署名活動に入ることを決めました。

「この地に産業廃棄物場を絶対に作らせてはなりません」

この日総会を開いたのは、庄川沿岸漁業組合や県西部の農協や自治会など27の団体で構成される「庄川流域六厩産廃処分場計画対策協議会」です。

このなかでは、庄川上流域に建設予定の産業廃棄物の最終処分場の建設地の変更を求める署名を行い、岐阜県知事や富山県知事などに提出することを決めました。

産業廃棄物の処分場は庄川上流域の岐阜県高山市荘川町六厩(むまや)の山間部に計画されているもので、富山市の業者が、2019年に岐阜県に事業計画書を提出、現在は条例に基づき手続きが進められています。

建設予定地は活断層が多数存在するほか、土砂災害警戒区域に指定される予定で、漁業関係者や住民などからは災害発生時に農業用水や生活用水を汚染したり、風評被害を引き起こしたりする可能性が指摘されています。

総会には処分場の建設に反対する岐阜県高山市の中筬博之市議も出席し、高山市の市長が、今月17日に処分場建設への反対を表明し、計画の白紙撤回に向け対策を講じたいとしたことに触れ「粘り強い取り組みが必要。情報共有しながら反対計画に向けてともに頑張りましょう」と述べました。

対策協議会は今後、高山市とも連携を図る方針で来月1日から来年5月までに署名を集め、計画の中止を求めたいとしています。