夫と二人三脚で歩んだ2年半「彼のサポートなしではできなかった」

――警察に相談したのが令和5年3月。判決まで約2年半、長い時間でしたね。

里帆さん: 長かったです。警察に告訴状を提出し、父が起訴されて裁判が始まって、きょう今ここまで結婚したり、年数をまたいできましたけども、どうなるのかなという不安もあって、感情にむらがありながらでしたが、きょう一区切りついて、ほっとしています。

――裁判では、産婦人科の先生や交際相手の方、児童相談所の方など、多くの方が証言に協力してくれました。

里帆さん: 協力には本当に感謝しています。当時もお世話になった方々が、裁判でも協力してくれて、それによって今こうやって判決を勝ち取ることができました。本当にありがたいです。検事の方から「直接お会いしてきましたよ」と聞くと、自分の味方がいるんだなと感謝の気持ちでいっぱいでした。

相談したときに心無いことを言われたり、「かかわりたくない」という人もいた中で、協力して寄り添ってくれた人たちには、当時も今も感謝しかありません。その人たちがいなかったら、今こうして生きて立っていられなかったかもしれません。

崖っぷちの中で話を聞いて証言してくれて、「心無い人もいるけど、味方もいるんだ」と思わせてくれました。人を信じて生きようと、毎日を生きてこれました。本当に感謝しています。

――この裁判は、里帆さん一人でできることでしたか。

里帆さん: 難しかったと思います。検察に行った後や証言の前後は特に体調が悪くて、家事もできない状態でした。

夫が働いてくれているのに家事ができなくても、彼は手伝ってくれました。物理的なサポートもそうですし、父を訴えることは家族と決別することなので、その前に籍を入れてくれたことで、「私には親はいないけど、佳樹さんという新しい家族がいる」と、心のサポートもしてくれて、裁判を終えることができました。

――佳樹さんのサポートがなければ。

里帆さん: できなかったです。

たくさん迷惑をかけて、ごめんね……。裁判前に何か動きがあるたびに、私も不安定になってひどいことも言いました。佳樹さんを傷つけたし、親族からも心無いことを言われて、彼は全く関係ないところで支えてくれて……。「ありがとう」と言わないといけないのに、ひどい言葉をかけてしまいました。

家事ができなくても、彼は報告書を書くために12時間も私の話を聞いて、その後にお客さんの対応もして……。佳樹さんの周りの方々も応援してくれて。本当に懐の深い人なので、感謝しています。

――佳樹さんのサポートがあり、ようやく判決にたどり着いた今のお気持ちは。

里帆さん: 今回は本当にたくさんの人に協力してもらいました。社会の声も、私に寄り添うコメントをくださって、勇気をもらいました。何とかみんなに支えられてここまで来られたと思っています。感謝しかありません。