絵を描き始めたことで出てきた変化
色鉛筆と出会ってから、米道さんは絵を描いて一日を過ごしています。

事業所に通い始めた頃ほとんど話をしなかった米道さんですが、絵を描き始めてからは少しずつ職員とのコミュニケーションにも変化が見られるようになったといいます。
花椿かがやき 石村沙希さん
「あんまり聞いても静かな印象だったんですけど、今は一緒に歌をくちずさんたりとか、何か答えて話してくれようとする姿が見られるようになったと思います」

記者
「好きな色はどれですか」
米道昌代さん
「(水色の色鉛筆を見せてくれる)」
最初は塗り絵から始まりましたが、米道さんのタッチは独特でした。

色鉛筆を斜めに力いっぱい握りしめ、紙に一つ一つ点を打つように色を重ねていきます。

花椿かがやき 石村沙希さん
「最初は一面に点々を描くという感じだったんですけど、今は〇とか△とか形になっていっていて、そこは変化かなと」

この米道さんの作品は、障がいのある人たちの創作活動を支援する「ばーと◎とやま」土居彩子さんの目に留まりました。

アートディレクター 土居彩子さん
「優しいタッチと色彩の美しさですよね。ただ画材を与えて『描きなさい』と言っても生まれるものじゃなくて、やっぱりその周りにいる人たちの愛のあるまなざしで生まれるんだろうなって感じますね」
5月20日、「花椿かがやき」の利用者とスタッフあわせて約20人が展覧会を見にやってきました。

米道さんの作品が展覧会に飾られるのは初めてです。自分の作品をみて、米道さんは――

米道昌代さん
「わ・た・し・の」

花椿かがやき管理者 坂田佳永子さん
「表情がすごくよくなってすごく笑顔が増えた。こういうふうに飾ってもらったら自信にもつながったのかご家族の方もすごく喜んでらっしゃって、ちょっと私たちも感動」

たくさんの人たちの温かいまなざしの中で生まれた米道さんの表現。環境に支えられながら、米道さんはこれからも新しい可能性の扉を開いていきます。


米道さんはじめ、県内の作家たちの個性豊かな作品に出会える「あーる・ぶりゅっと!みられ展」は富山市のギャルリミレーで8月3日まで開かれています。
■入館料
一般300円・高大生200円・中学生以下無料
障がい者手帳持参の方と介助の方は無料
■休館日
月曜日・祝日の翌日