富山市の美術館に見る人の心を優しく包みこむ繊細な作品が展示されています。描いたのは南砺市の福祉事業所に通う20歳の女性。彼女の優しい表現は事業所の人たちに見守られ開花しました。

富山市の美術館ギャルリ・ミレーで開かれている「あーる・ぶりゅっと!みられ展」。

この展覧会に繊細なタッチで描かれた不思議な作品が飾られています。
淡い色合いの点々が重なり合い、〇や△の模様がゆらめく…。優しい万華鏡のような世界が広がっています。


この作品を描いたのは、砺波市の米道昌代さん(20)です。

福祉事業所に来ると、毎朝、カーテンにくるまっていますが――
職員「はい、体操しまーす」
朝の体操が始まるとカーテンから飛び出して、いつも最前列で体操をする音楽とダンスが大好きな20歳です。


米道さんが通っているのは南砺市にある多機能型事業所「花椿かがやき」です。
この事業所では利用者の好きなことや得意なことを見つけ、伸ばすことを大切にしています。

月1回アートのワークショップも開いていて、障がい者アートを支援する日本画家の米田昌功さんと一緒に自由に創作を楽しむ時間を設けています。


障がい者アートを支援する日本画家 米田昌功さん
「すごい、映ってる雲、微妙に違う。かっこいいっすね」
参加した利用者
「がんばったらこういうのに参加できるとか、楽しみにしとる、好き」

花椿かがやき管理者 坂田佳永子さん
「こういったところにもこんな才能あったのね、とか、自分でも楽しんでやっているんだねっていうことが、きっといくつももしかしたら眠っているのかもしれないなって」

米道さんは支援学校卒業後のおととし4月、この事業所で「生活介護」のサービスを利用し始めました。

最初は職員がアイロンビーズで作った小さな花やフルーツを製氷皿に並べる作業をするなどしていましたが、そのうち職員が発見したのが――

花椿かがやき 石村沙希さん
「色別に並べたりとか、形別に並べたりというが見て、色が好き、興味あるのかみたいな。(それで)色鉛筆を渡してから今はほとんど絵を描いて過ごされてます」