復興の一歩は「壁にボールをあてて響く音」

地震以降、氷見市内で最も人口が減ったのが石川県境に近い姿地区です。
全壊が6軒、半壊が9軒、一部損壊も含めると住宅被害は姿だけで89軒にのぼりました。
地震前までは57世帯が暮らしていましたが、16世帯が集落を離れ、今残っているのは41世帯です。

家族5人で暮らす花木さん一家は半壊した築50年を超える家を直し、姿に残ることを決めました。
家族そろって年越しそばを食べるのが花木家の大みそかの風景です。
姿地区に残った 花木尚子さん
「バタバタした年。いろいろ考えとる間に1年、もうこんな月かという感じ」
野球が大好きな小学4年生の雅治くんが家の壁にボールをあてて響く音。これが花木さん家族にとっての復興への一歩です。
記者
「今年も残りわずかとなりました。氷見市姿地区では復興を願って除夜の鐘が厳かに鳴り響いています」

集落を離れた住民も除夜の鐘を突くため集まってきました。
姿地区 山本譲治 区長
「能登ばかり言われるが、豊間の方でも氷見の方でも姿とか、いろいろなおところが地震で災害が起きている。本当に忘れてほしくないという思いがある」
集落には再び戻ってくる家族もいて2軒の新築工事が進んでいます。
地震を引きがねに急速に進みだした過疎化の波は止めることはできません。しかし、どんな困難な状況でもきっと希望の光は差し込んでくる。そう信じて、ことしこそ復興への道を歩みます。