マスク着用・規模縮小の“小さなおわら”

2022年9月、3年ぶりに坂の街に胡弓の音色が響きました。初日は雨でしたが、2日目は雨もあがり、静かな熱気に包まれてきました

「見ている間はマスク着用、会話は控えていただくようお願いします。」

鏡町では、例年観覧席にしていた道を閉鎖し、踊り手の動線を確保しました。

2022年の風の盆では、町によって異なる、人の流れや立地条件に合わせた、独自の感染症対策を各町が行いました。

そして、3日目 牧山さんはこの日が最後のおわらとなります。

西町のおわらは、町流しと、公民館で行う最後の踊りを残すだけとなりました。雨のため町流しは半分にも満たない時間で取りやめになりましたが、牧山さんの願いが通じたのか、残り1時間を切ってそれまで降っていた雨がぱたりとやみました。

牧山さん:「さあラスト。がんばるよ」

規模を縮小し、伝統をつなぐことに重きを置いた「小さなおわら」。3日間の入り込み客数は12万人、例年よりおよそ4割減少しました。しかし、入り組んだ町の構造は今年も密集を生み、一部では身動きが取れなくなる場所もあり、2023年へ課題を残しました。

おわらとともに生きていた26年。牧山さんが最後の舞台に臨みました。

秋山さん:「あっという間でしたね。2年やっていないのを感じさせないおわらができたので嬉しかったです。私の踊り方とかは伝えられたかな。これを続けていってほしいという思いも伝えていけたかなって思います。やりたいことはやったかなって感じです」