豊富な地下水により「密閉状態」が保たれた

石須館長:「ここに海抜0メートルと書いてありますが、このラインが現在の海水面の高さですね。ですから、このフロアは海面下という形になります」「木が根を張って生きていた頃はそこは陸地だった。海面下ではなかったということがわかるんです」

埋没林が見つかったのは今の海水面よりも低い位置でした。なぜ埋没林が海抜0メートルよりも低い位置で見つかったのでしょうか。

石須館長:「その原因は、何だったのかというところが気になるんですが…。解釈の仕方は2通りあって、海面が上がったのか土地が沈んだのか」「今の学説では、海面の方が、上下動したというふうなことで考えられています」

今よりも気温が低く、海面が低かった時代にスギの原生林が誕生。その後、気候が温暖化し海面があがったという説が有力ではあるようですが…。

何らかの地盤変動で地面が下がったという説も否定はされておらず、海面が上がったのか土地が沈んだのかまだ明確には解明されていないそうです。

気候が温暖化し海面があがったという説
何らかの地盤変動で地面が下がったという説

石須館長:「地殻変動にして沈んだにしろ、海面の変動で沈んだにしろ、いずれにしても、そういう過去にそういう大きな変化があったということを埋没林の存在がね。語ってくれているわけです」

過去の変化を伺えるものは他にも。

石須館長:「ここを発掘したときの地中の地層の断面といいますかね。ですけども、見ての通り、石がたくさん含まれてます。で、細かい部分は砂です。これは、片貝川が氾濫を起こしてその洪水で運ばれてきた。砂礫層と言われますけども、砂や石でできている地層です」

埋没林はこのような砂や石でできた地層から見つかりました。

埋没林が砂や石でできた地層(砂礫層)から見つかった

石須館長:「地下水が豊富に流れるということで、それが埋没林を守ってくれてたというふうに考えられています」

「砂や石でできた地層」と「豊富な地下水」によって空気に触れることなく「密閉状態」が保たれていたことが、埋没林が2000年以上前から腐ることなく残っていた大きな要因として考えられています。