4日に行われたニューヨーク市長選挙で、トランプ大統領が「共産主義者」と呼び目の敵にしていた異色の候補が当選しました。“マムダニ旋風”の背景には何があるのでしょうか。

NY次期市長 “社会主義的”候補が当選

10月、ホワイトハウスで行われたアルゼンチンの大統領との昼食会。その最中、トランプ大統領が突然、厳しい口調で批判を始めます。

トランプ大統領(10月)
「『共産主義者』で下劣で卑怯なやつだ。国の税金を無駄遣いするような人物を当選させてはならない」

その矛先が向けられたのは、4日に行われたニューヨーク市長選で当選した民主党、ゾーラン・マムダニ氏(34)。

マムダニ氏
「ドナルド・トランプ、これを見ているのは分かっている。音量を上げて聞きなさい。国民の期待を裏切ったトランプを倒せるのは、彼を生んだニューヨークだけだ」

マムダニ氏は、アフリカ・ウガンダ生まれ。7歳でニューヨークに移住し、インド系の両親を持つイスラム教徒です。

マムダニ氏
「NYの皆さん、一緒に凍結するのは『家賃』。NYの皆さん、一緒にバスの運行をスムーズにし『無料』に。NYの皆さん、私たちが実現するのは普遍的な『保育』だ」

州議会議員のかたわら、ラッパーとして活動した時期もある異色の経歴に加え、掲げた公約は、最低賃金の引き上げに加え、家賃の値上げ凍結、公営バスや保育の無償化といった社会主義的な政策。

その実現にかかる1兆5000億円あまりの財源は、富裕層や大企業への増税でまかなうとします。