地元の水産業に活気を…任されたのは

そして、高齢化や漁獲量の減少など深刻な問題が山積する中、所属している組合から託されたのがギンザケの養殖です。

「養殖ギンザケ」は国内サーモン人気の高まりを受けて需要が高く、近年、高値が付くことから新たな試みとして3年前に組合がはじめました。

その生育責任者に抜擢され、早朝の定置網漁が終わってから毎日欠かさず、漁港から1キロ離れたいけすに足を運び自らの手でエサをあげています。

宇波漁港 漁師 曽場慎太郎さん:「給餌機がついているのですけど、(エサを)食べれる魚と食べれない魚が出てきちゃうと魚もかわいそうだなと思って」

石川県境にある宇波漁港。25年ほど前にはブリなどで年間1億近くの水揚げを誇りましたが、高齢化による担い手不足などを背景に漁獲量は年々減り続け、去年はピーク時の4割ほどに留まっています。宇波浦漁協組合の新たな挑戦として始まったギンザケの養殖。

5月、いけすの中で40センチほどまでに育ったギンザケが水揚げの時期を迎えました。毎日、欠かさずエサやりをしたかいあってことしは…

宇波漁港 漁師 曽場慎太郎さん:「重さがことしはよかったです。こんな感じで丸みを帯びてて」

今シーズンは先月15日から15日間の漁で水揚げが量は減りましたが、大きく、脂ののりがよい上々のギンザケに育ったということです。

宇波浦漁業組合代表理事組合長 荻野洋一さん:「みんなでかわいがってというか、みんなで盛り立てて、船頭として育っていってほしいなっていうか、期待しています」

宇波漁港 漁師 曽場慎太郎さん:「天然の魚をとるだけじゃちょっと環境にもよくないですし、自分たちで育てて食べるっていうことも、将来的にはしていかないとだめかなと。手探りですけど、ちょっとずつ将来的にも持続可能な水産業にしていけたらと思って…」

ブリの街氷見の新たなブランドとして確立し、地元の海を盛り上げることができるのか。トレードマークの金髪ロン毛をなびかせて曽場さんはきょうも海に出ます。