佐藤さんのトマト、甘さの秘密は
県によりますと、県内で新たに農業を始めた人は、震災以降毎年200人前後でしたが、昨年度はこれまでで最も多い334人となり、新規就農者が増えています。

会津美里町で生まれ育った佐藤さん。結婚後は、都内で専業主婦として家族5人で暮らしていました。どうして専業主婦からトマト農家への道を選んだのでしょうか。
佐藤さん「そもそものきっかけは父の体調不良があって、後を継ぎたいなという思いがあったんですけど」
おととし、農家の父・豪さんが病気で倒れたことをきっかけに故郷に戻ることを決心しました。佐藤さんの決断に子どもたちは…。
長男・大牙くん(12)「お母さんがやりたいと思ったことだから、農業をやるなら自分も応援しようと思いました」
佐藤さん「一緒に会津に行くよと言ってくれた時もとても心強かったですし、日々すごく子どもたちの存在が力になっています」
家族の後押しを受け、トマト農家として新たな一歩を踏み出した佐藤さん。取り組むのは、甘さとうまみを最大限まで引き出したトマトづくりです。
佐藤さん「こちらのポットに水分センサーを刺して水分管理をしています」

センサーを使い、土の中の水分量を1%単位で管理。通常よりも水分を少ない環境にすることでストレスを感じたトマトは、甘くなるといいます。現在3棟のハウスで月に650キロほど出荷しています。

さらに、収穫時期にも特徴が…。
佐藤さん「収穫した時点で糖度は決まってしまいますので…」
通常、トマトは日持ちさせるため、熟す前に収穫しますが、こちらの農園では、完全に熟したものを収穫します。しかし、完熟トマトは痛みやすく、品種によっては半分近くが規格外になってしまうことも。
佐藤さん「トマト同士がぶつかってしまっている所は変形してしまいますし、木と一緒に擦れてしまったりとか…」