若者に広がる“継承の輪”
専次郎さんの思いに呼応するように、若い人たちの間でも、継承の輪は広がりつつあります。
今年3月に大学を卒業し、保存会に加わった伹野就斗さんと、後輩の澤田海音(かいと)さん。2人は踊り全体の音頭を取る「鍬頭」の役を担当します。田植踊りの中で、最もハードな役の一つです。
澤田海音さん「初めて田植踊りの練習会を見学しに行ったときに、体験してみようということだったんですけど、そのときに自分どれをやろうかなと考えていたときに『鍬頭が空いているよ』というお話を聞いて、やってみようかなと」
伹野就斗さん「(教えるのは)難しいですね。この言い方で合っているのかなとか。この伝え方で合っているのかなというのは、きょう、教えている中で思いました。これでちゃんと伝わっているのかという…」
全国大会を控える中、伹野さんも、教えることを通じて、自分の芸を見つめ直すきっかけになったようです。
伹野さん「結構忘れているところが多いなと。やっぱり学生のときは定期的に練習があったので。集まる機会がこういう学院との練習という会になるんで、結構忘れているなあというところがありまして、海音君のを見て『ここはこうするんだった』というところを発見したりしています」
三瓶さん「こうやって、卒業してからも関わってくれるっていうことは、ありがたいことですよ。やっぱり。毎年毎年卒業していく子はいるから、一から教えないと。毎年新しい人が来るからね。保存会のメンバーも教えることに慣れてきたし、本当のことを思い出してきたんでないのかな。やってるうちに。10年近く休んでいた関係あるからね」
継承への手ごたえを感じる一方で、集落の家々を回るという本来の形が実現できない状態が続いています。










