福島第一原発で、ミスにより中断されていた燃料デブリの試験的な取り出しについて、東京電力は10日、作業を再開しました。
伊東孝之カメラマン「作業の中断から2週間あまり。福島第一原発2号機で燃料デブリの取り出しに向けた作業が始まりました」
震災と原発事故から11日で13年半となる中、東京電力は10日、福島第一原発2号機の溶け落ちた核燃料=燃料デブリの試験的な取り出しに着手しました。
東電によりますと、取り出しに向けた準備作業は午前6時半から始まり、午前7時20分に、格納容器の中と外を隔てる「隔離弁」を通過し、燃料デブリの取り出しに着手したということです。
燃料デブリの取り出しをめぐっては、先月22日、取り出し装置を押し込むパイプの順番を間違えるミスがあり、作業が中断されていました。東電は9日までに作業工程の確認を終え、ミスのあったパイプにカラーテープを貼って色分けするなどの対策を進めてきました。また、9日は小早川社長が原発構内で最終確認に立ち会い、再開に向けた一連の工程が完了していました。
燃料デブリは、原発事故で溶け落ちた核燃料が炉内の構造物とともに、冷えて固まったもので、1号機から3号機の中に、およそ880トンあるとみられています。今回の作業は、テレスコ式と呼ばれる細いパイプ状の装置を使って行われ、3グラム以下のデブリを採取する計画です。
取り出し作業は、作業員の負担軽減のため、1日2時間を目安に行われ、10日の作業は午前8時前に終了しました。今後、デブリを回収するまでには、順調に進んでも2週間以上かかるとみられています。










