今年2月、福島県塙町で75歳の女性が殺害された事件で、強盗殺人などの罪に問われていた19歳の男に、無期懲役の判決が言い渡されました。

県内で初めて特定少年の氏名を公表して行われた裁判員裁判。判決言い渡し後、裁判員を務めた40代の男性が記者会見に応じました。
質疑応答は以下の通り。

Q.全国的にも前例が少ない特定少年の裁判員だったが、難しさは?
A.難しかった。特定少年ということで、更生できるかどうか?というところが難しかった。

Q.刑を決める時プレッシャーは?
A.十分に評議をしてきたのでプレッシャーはなかった。

Q.精神的に負担を感じたり、辛くなったりすることは?
A.裁判開始2〜3日は負担があった。自分も子どもがいるので、それと擦り合わせると不安を感じた。しかし、評議を進めるうちに責任感が強くなっていった。しっかり評議をして判決を出すことが自分に課せられた仕事だと思った。最初は他人事だったが、裁判員になり、本当の意味で事件に向き合ったことで負担にはなった。

Q.特定少年という若い被告人の裁判に関わることについての感想
A.特定少年の被告人に判決を下すという裁判に対して責任感を感じた

Q.特定少年という位置付けで実名が公表されたが、名前が出ることで評議に影響はあったか?
A.評議には影響なかった。自分は更生については明言できない。被告人が判決を受け止め、どう行動するかが大切。判決を受け止め、反省してほしいというのが一番。

Q.検察と弁護人で求刑が分かれたが、印象は?
A.選択肢が少ないと感じた。

Q.裁判開始から判決まで被告人の印象は?
A.最初から最後まで変わらない。判決の時は思ったより冷静だなと感じた。判決を想定していたのでは?と思った。公判を通じて未成年という印象はなかった。冷静に受け答えできていたと感じた。

Q.お子さんがいることで負担になったと感じたとは?
A.これからの子育てに不安を感じた。しっかり子育てをしないと、社会的影響を与えてしまいかねないと不安を感じた。

Q.更生について意見は分かれたか?
A.判決はしっかり評議してみんなで話し合って決めたこと。

Q.評議の難しさについて詳しく。
A.特定少年だったが、事件の残虐性など、事件の内容、事実に沿って評議した。自分も記事で事件の重大性を知っていて、先入観もあったが、正しい情報、事実に基づいた情報をもとに評議を進めていくうちに真実が見えてきた。