特集はシリーズ復興の現在地。宮城県石巻市の震災遺構・門脇小学校で、東日本大震災発生当時1年生だった女性が初めて語り部として自らの体験を語りました。今、教員を目指している彼女の心の支えになっていたのは、これまで誰にも話せなかった亡き友人との小さな約束でした。

母校で経験した"あの日"

石巻市の震災遺構・門脇小学校。去年12月、市内の中学生が見学に訪れました。語り部として案内役を務めたのは、大学2年生の高橋輝良々さん。震災が起きた時、門脇小の1年生でした。

宮城教育大学2年 高橋輝良々さん(20):
「北上中学校の皆さん初めまして。私は今小学校の先生を目指して宮城教育大学に通っている高橋輝良々です」

中学生に伝えたのは、震災の恐ろしい記憶だけではなく、この校舎で過ごした1年間の思い出です。

高橋輝良々さん:
「下校するときにランドセル背負うの忘れて帰っちゃったドジな子いたなとか、お腹が痛くなった時にお腹をのの字で撫でてくれた担任の先生いたなって、何気ない日常を私はここに来て思い出しました」

13年前のあの日、津波と火災が門脇小を襲いました。高橋さんは下校を始めてすぐ揺れに見舞われました。