岩手・宮城内陸地震で大きな被害を受けた宮城県栗原市に、日本最古の染色技法と言われる「正藍冷染(しょうあいひやぞめ)」を継承する男性がいます。その男性は、5月、技法を一から教わった母親を亡くし、悲しみを乗り越えながら生地を染め上げる作業に励んでいます。

「正藍冷染」は千葉家で代々受け継がれてきた

正藍冷染を継承している栗原市栗駒文字の千葉正一さんです。

正藍冷染は染料となる藍の生産から染色まですべての工程を昔ながらの手作業で行い、千葉家で代々受け継がれています。

4代目の千葉さんは、この日も、自宅わきの工房で「こが」と呼ばれる大型の桶で発酵させた藍の染料に、生地を浸して染める「浸し染め」の作業を行いました。

4代目 千葉正一さん(73):
「いい色が出ている。安心して染められる」

千葉家では毎年、6月に浸し染めが行われますが、15年前、あの大地震に見舞われました。