仙台市内で、86年間に渡って営業を続けてきた銭湯が設備の故障や老朽化などのため2月28日を最後に休業します。銭湯には、昔ながらの「番台」が残り親子三代で客を出迎えてきました。

銭湯とは社交の場

青葉区中江の銭湯「花の湯」。戦前から86年間にわたり、地域の人たちを癒してきました。店主の前田有作さん(56)が昔ながらの「番台」に座って客を出迎えます。

花の湯店主 前田有作さん:
「お風呂ってすごく感謝される。生き返ったとかね。地域の人が銭湯に来ておしゃべりを膨らませる社交の場でもあり」

1978年の宮城県沖地震や東日本大震災では設備が被災せず大勢の被災者を受け入れました。当時、番台に座っていたのは前田さんの母・邦子さんです。

邦子さんは、去年87歳で亡くなるまで番台に座り続けました。