未来の技術に関する実験場が静岡県内で本格始動しました。
9月25日、静岡県裾野市で開かれたのは、トヨタ自動車が建設を進めていた実験都市「ウーブン・シティ」の開業イベントです。
<トヨタ自動車 豊田章男会長>
「皆さん、こんにちは。この街に引っ越してまいります、マスターウィーバー(住人)の豊田でございます。やはりここは街というより、未来のためのテストコースです。アーユーレディ?ウーブンシティ」
音楽フェスのような盛り上がりを見せましたが、トヨタ自動車が裾野市に建設を進めていた実験都市「ウーブン・シティ」の開業イベントです。
「織り込む」という意味の「ウーブン」。街全体にさまざまな人や技術が織り込まれ、未来都市を切り拓きます。
<東部総局 金原一隆記者>
「富士山の裾野に近未来的な街の姿をあらわしたトヨタ・ウーブン・シティ。いよいよ開業を迎え、その内部が公開されます」
<トヨタの担当者>
「自由に、安心して、楽しんで乗れる、1人乗りの乗り物ということで開発しているのが、このパーソナルモビリティです」
カーシェアリングの車を、利用者のところまで届ける自動運転ロボット。「サモンシェア」。
あらゆるモノやサービスがつながる未来の実験都市、これが「ウーブン・シティ」です。
<トヨタ自動車豊田章男社長(当時)>
「私たちは日本の東富士にある175エーカーの土地に未来の実証都市をつくります」
当時の豊田章男社長の発表から5年後、ウーブンシティの第一期エリア広さ4万7000平方メートルが完成。自動運転やロボットなど様々な新技術と人々が暮らし、リアルな環境での実証実験がはじまりました。
<金原記者>
「私の後ろを走っている小さな箱のようなもの。これ自分で進む自律走行ロボットです」
「後ろに荷物室がございまして買い物かごが一つのる設計に。買い物した荷物がのる」
津波被害で町ごと高台移転し「移動」や「買い物」が難しくなった東北の住民を支える技術として「トヨタ東日本」が開発しました。
ウーブン・シティはトヨタグループ12社が国内の8企業と協力し、「動くこと(モビリティ)」を変革していくためのテストコースになります。
未来を変えていくのはモビリティだけではありません。
<試食>
「日清食品のハンバーガーいただきます。とても濃厚な味で、パテもジューシーです。このハンバーガー、タンパク質、炭水化物、脂質のバランスがとれている、栄養を最適化した食品だそうです」
ジャンクフードのイメージが強いハンバーガーを、最適な栄養バランスに整え、「新たな食文化の創造」を目指します。
<日清食品の担当者>
Q. この実証実験でやる一番の意味は?
「生活に伴った場所で提供させていただくのが第一。皆さんのリクエストを聞きながら新たな食文化を作っていきたい」
<ウーブン・バイ・トヨタ 豊田大輔上級副社長>
「未来の子どもたちのために、各社様の強みとトヨタの強みを『カケザン』して、今より良い未来をお届けしていきたい」
ウーブンシティがある裾野市をはじめ、周辺の市町への貢献にも力を込めています。
<豊田上級副社長>
「実証実験をしやすい環境の整備をやったうえで、地域コミュニティの方が訪れやすい場所にすることはさせていただきたい」
ウーブン・シティは東名裾野インターの東側に位置し将来的には29万4000平方メートルまで広がります。ウーブン・シティには、通信教育で知られる三島市の「Z会」も参画し、幼児や児童教育の学校を開設。トヨタの技術力で園児の生活を解析し、一人ひとりに最適な教育環境を考えるとしています。
9月25日からトヨタ関係者を中心に居住も始まったウーブン・シティ。第一期として300人程度が生活をしながら、『未来の当たり前』の発明が静岡県裾野市で始まります。