塩尻市唯一の銭湯として2024年に、惜しまれつつ幕を閉じた「桑の湯(くわのゆ)」が、新しい経営体制で再スタートを切りました。
市民に親しまれる「古き良き銭湯」を再生させた仕組みと、そこに関わる人の思いを取材しました。


塩尻市の中心部にある銭湯「桑の湯」。

1月下旬のこの日、大勢のお客さんが汗を洗い流していました。

入浴客:
「リラックスしたいときとか、ゆったり入りたいときとかに来られるところですね。憩いの場所ですね」

市民に親しまれている桑の湯。

実は、2024年6月にいったん営業を終えましたが、12月に再出発していたのです。

桑の湯は1929年、昭和4年に創業し、薪で湯を沸かす銭湯として人気を集めました。

家庭に風呂が普及し、銭湯が次々と姿を消す中、塩尻で唯一、4代目の桑澤(くわざわ)弘幸さんと母親が、親子でその火を守ってきました。

しかし…

4代目 桑澤弘幸さん:
「もう設備直しきれなくて、あっちも直せばこっちも壊れるになっちゃって。あと人間の老朽化も僕と母の体力が、もうここにきて限度かなってのがありまして」

2024年6月に営業を終えたものの、常連客から惜しむ声が寄せられたことから後継者を募集。

9月、東京を拠点に廃業した銭湯の再開を手がける「ニコニコ温泉」が、桑の湯の屋号を引き継いで運営することが決まりました。

ニコニコ温泉 真神友太郎社長:
「1年前に来たときに、銭湯の良さというものを、こんなに目の前で普通に営んでいらっしゃるっていうのは私の一番の衝撃で、地域にずっと生き続けられる銭湯でやっていけたらなと思っております」

こうして12月30日に「新生・桑の湯」は営業を再開しました。