「ここがなくなるって寂しいなと思って、きょうは最後に福袋に並んで。(母親が)行事が色々ある時に服を買ってくれるのは井上だったんですよ。なので私も大好きで、井上が」

福袋?
「そう、もちろん。あっち行ったりこっち行ったりするんだけど、ここが一番ものがいいから」

3月末での閉店が決まっている井上百貨店にとって、最後の初売り・福袋です。

スタッフ:
「ちょっと寂しいなと思いながら、年末の行事ということもあって、わくわくしながらやらせてもらっています」

店のスタッフは年末から、福袋の準備に追われていました。

今年の福袋は、1万5,000円相当のキッチン用品と1万円分の商品券が入って、1個1万4,000円。

最後は特別な福袋にしたいと、例年よりもグレードの高い商品を選んだといいます。

スタッフ:
「(最後の初売りは)新しい門出だなと思いながら。お客様には楽しんで笑顔で来てもらえればいいなって」

この場所に井上百貨店が移って、45年。

1年で最も賑わう初売りは、松本の「新春の風物詩」でもありました。

中でも福袋は、時代によって中身や金額は違っても例年、即完売という人気ぶり。

ただその光景も、これが最後です。

「こちら井上百貨店の福袋の列です」

午前10時の開店と同時に、先着100人に整理券を配布。


特設の売り場で福袋を渡していきました。

福袋を買った人:
「福袋は毎年楽しみでね、孫と娘とみんなで来て毎年買っていきますので。(店が)なくなるので残念だと思ってね。今年はフライパンとかこういうのだから、孫が結婚したからあげようかと思ってちょうどよかった」

福袋を買った人:
「(買ったのは)初めてです!これからもないので、最後の思い出として買いたかったんです」

福袋を買った人:
「うれしいです、もうこれ(福袋)は記念になんか懐かしいなって。子どもたちと、まだ子どもが小さいころに途中で嫌になっちゃって、ここでいっぱい買ってあげるからってなだめて待っていた思い出をさっき思い出して」

各売り場でも新春の特価品が用意され、最後の初売りは、これまで通りの盛況となりました。


井上百貨店 上嶋保(かみじま・たもつ)店長:
「この何十年もいつも1月の2日というと行列になっていただいて、ありがたいっていう気持ちのほかありません。新しい1年のスタートなんですけど、本店はもうあと3か月ということで、感謝の気持ちを社員全員でお客様に表したい」

9連休の思い出と、新たな年への決意を胸に。

今年も信州の皆さんにとって、よい1年になりますように!