中学3年生となった柊太さんは今年、仲間5人と防災アプリの開発を始めました。

石島柊太さん:
「自分が被災をして悲しい思いをしていたんですけど、それをそのままにするのはもったいないと思って、経験した人だからこそできることはあると思うので、経験した人がこれからの人に何かしていくべき」

目指すのは災害での「逃げ遅れゼロ」です。

被災した地元の人たちに当時の状況を聞き、浮き彫りとなった課題を知りました。「区長や常会長が電話で一人ひとりに避難を呼びかけ、一軒一軒回っていた、増水する中で危険な状態だったという人もいた」と言います。

さらに、「いつ逃げるのか」、「どこへ逃げるのか」、避難をする住民側も難しい判断を迫られたことも分かりました。

そこで柊太さんたちは、避難をする側と避難を促す側、それぞれの立場で利用できるアプリの開発を進めています。

スマホでGPSを使用し、「オンにすると、区長などに位置情報が伝わって、誰が避難しているのか、また誰が避難していないのかが分かる」仕組みです。

また、住民側が利用するスマートフォンでは、大雨などで警戒レベル3以上になると、位置情報を通知するGPS機能が使えるようになります。

画面上で、すでに避難している場合には「避難しました」を押して、避難できずに困っている場合は、「連絡ください」を選択します。その操作をするだけで、情報が区の役員のスマートフォンに届くと言います。

また、自分の住む地区の常会長や区長からのメッセージを受け取ることができます。そこには、「顔を知っている人からメッセージがあると、危険だということが伝わりやすい」という狙いがあります。

常会長や区長などはスマートフォンで誰が避難したのかわかるため、1軒1軒回って確認する必要がなくなり、避難していない人に絞って声掛けできます。

学習発表会のリハーサルとして、同級生に開発中の防災アプリについて説明をしました。