迎えた本番当日。長瀬さんは開演の3時間前に会場入りしました。
楽屋では他の出演者との話に花が咲きます。
(ボーカルフェスの出演者)「だけど本当 すごいっすね あやかりたいです 大体そこまで生き延びられるかな やっぱり90歳過ぎてる人って選ばれし人なんですよ」
(ボーカルフェスの出演者)「私73歳なんですけども、10年後までは歌ってるかもしれませんけど、20年後は自信ありません」
松本ボーカルフェスティバルが幕を開けました。
県内を中心に声楽を勉強している人の発表の場として毎年開催され、40年近く続いています。
(長瀬さん)「そんなにあがるってことないですね。だから、今までの自分でやってきたことが十分に出れば それでOKと」
ひときわ大きい拍手の中、長瀬さんがステージに立ちました。

披露するのは3曲。75年に渡って歌い続けてきた思い入れの強い「天使のパン」も感情を込めて歌いました。
(長瀬さん)「やっぱり 自分の持っている力を伸ばすためには、毎日毎日の努力、伸びるものを伸ばしていくっていうことが、高齢化社会のひとりひとりの責任だと思う 私の場合には声があったので それを死ぬまで歌い続けて 勉強していく」

歌い切った長瀬さんは、大きな拍手を浴びながら舞台裏の通路に戻ってきました。
(長瀬さん)「何とか93歳 歌いました もう、ヨレヨレだけれど、皆さんが声が出たとか、よかったって言ってくださるので、それが励みになって『またあの歌いたい』となります 頑張ります」















