星野リゾートのOMO5熊本が4月25日オープンしました。
ここで働くことを希望した熊本出身の新入社員がいました。「熊本の魅力を伝えたい」と奮闘した彼女の1か月を追いました。

山田さん「こんにちは、ようこそお越しくださいました」
オープン初日から多くの宿泊客がやってきます。

福岡からの宿泊客「オープンの日なので縁起がいいなと思って、すごく活気があってわくわくしてます」

ほぼ満室の初日。宿泊客たちの対応をするのは、この春入社した山田百花(やまだ ももか)さん。玉名(たまな)市出身の22歳です。

大阪の大学を卒業し働き始めた山田さんのオープンを迎えるまでの1か月を追いました。
ー3月15日。ホテルでは、開業に向けた社員研修が始まっていました。

まずは、お辞儀の練習です。

先輩社員「どっちかというと倒す方がゆっくり…」
国内外に60か所以上ある、星野リゾートの宿泊施設の中でも山田さんは、地元熊本の魅力を全国に伝えたいと、この場所での勤務を希望しました。

山田さん「『ぜひOMO5熊本に配属してください』という旨を伝えました」。憧れの職場なので、皆さんの期待を遥か超えられるようなワクワクをお届けできたらなと思っています」
そんな山田さん、願ってもない仕事を任されることになります。

ー3月17日、山田さんは先輩社員と「上通(かみとおり)・並木坂(なみきざか)エリア」に来ていました。

訪れたのは老舗の書店です。
OMO5熊本 八尾マネージャー「舒文堂河島書店(じょぶんどうかわしましょてん)さんは、熊本の中でも現存する古書店の中で一番古いと言われております」

山田さんが抜擢されたのは、スタッフが地域の案内人「OMOレンジャー」となり、宿泊者と共に街歩きをするツアーです。
先輩社員が実際に訪ねて宿泊客に紹介したいと思った場所をツアーのスポットに盛り込みます。

OMO5熊本 八尾マネージャー「友達同士が楽しく街歩きするようなシェアをできれれば一番いいなと」

開業後すぐにこのOMOレンジャーを担う新入社員は山田さんただ1人です。
採用面接の時、一番力を入れて伝えた「熊本愛」に期待がかけられての大抜擢でした。

OMO5熊本 磯部 総支配人「熊本のことを強く発信していきたい思いがすごく強かったんですね。街の魅力を発進していきたいという思いが強いスタッフにぜひ任せたいと思って」

ゴールデンウィーク明けのデビューを目指し、休日も、スポット巡りをして準備を進めます。
ー3月29日、案内以外にもホテルのカフェ業務も担います、この日はその研修です。

山田さん「朝食券はお持ちですか?」
会計をはじめ、料理の盛り付けも担当します。本社社員のチェックの目が光ります。

この日の練習は「シチュー掛けトースト」。見本はトーストの横から一筋のシチューが流れ、具材が並ぶよう盛り付けられていますが…。
山田さんの盛り付けは?

山田さん「30点…ちょっとお客様には出せないやつですね」
シチューが四方から流れ、トーストに盛り付けた具材も倒れてしまいました。
本社社員「ちょっとお客様には出せないやつですね。もうちょっと練習しましょう」
‐そしてオープンが2週間後に迫った4月11日。
この日は星野リゾートの関係者が客として宿泊します。
研修の成果を見せる日がやってきました。

山田さんのノートには研修期間のメモでびっしりです。

山田さん「まずはいっぱいメモして家に帰って復習することをやっていました。すごく緊張してます…」

勉強の甲斐あって、カフェでの業務は問題ありません。
そして、ホテルの入口にあるスタッフおすすめスポットを記した「ご近所マップ」。宿泊客に案内しようとしますが…

話しかけるタイミングがつかめません。

それでもしばらくすると…。

山田さん「こんにちは、何か気になるところはございましたか?」
声をかけて会話が始まりました。研修の成果を発揮します。

山田さん「下通(しもとおり)と上通が一番大きい通りになっていて、上通は空襲で焼けていないので古いお店が多くて、熊本で飛びぬけて古い本屋さんもあったりして…」

山田さん「スタッフみんなでおすすめを集めたら、結果こんなに多くなったと言いたくて。緊張がほどけて楽しくなってきました」
‐そして迎えた4月25日のオープン当日。

山田さん「お客様がいっぱいいらっしゃっていて、ああ、始まったんだなとすごくワクワクしています」
次々とやってくる宿泊客に、熊本のオススメスポットを紹介する山田さんの姿がありました。

客「宿泊客はツアーみたいなのもあるの?」
山田さん「はい。そうでございます。OMOレンジャーツアーというものがございまして」
まだ、不慣れな部分はありますが山田さんの熱心さは伝わったようです。

客「カフェについて優しく教えていただいた」

山田さん「『熊本オタク』になりたいですね『あのスタッフの人なんか詳しいよね』とか『なんであんなことまでしっとらすと?』みたいなスタッフになれればと思って精進して参ります」
