熊本市一番の目抜き通り「通町筋」には、電車通りをくぐって上通アーケードと鶴屋百貨店や下通アーケードをつなぐ「手取本町地下道」があります。この地下道が開通したのは1969年(昭和44年)。映像はその前年の1968年10月に行われた起工式の様子です。当時のニュースはこのように伝えています。


「県下で初めて建設される地下道の起工式が、きょう午前9時半から熊本市手取本町の建設現場で行なわれました。起工式には地元関係者およそ100人が集まり、神事のあと、祭壇に玉串を捧げて工事の無事を祈りました。


この手取本町一帯は一日の自動車通過台数が三万台を超えるという交通量の多い所で、建設される地下道は、長さ24.5メートル、幅5メートルで、4ヶ所に昇降口が設けられ、来年三月に完成することになっています」

そして1969年3月末、完成した地下道の「通り初め」が行われました。
「昨年10月から工事を急いでいた県下では初めての横断地下道がこのほど熊本市の手取本町に完成し、今日午前10時から上通り側入り口で落成式が行なわれました。


この地下道はクリーム色のタイル張りで、歩道橋の設置案が出されていましたが地元商店街の反対で地下道に切り替えられたもので、総工費4950万円、この内1650万円を地元で負担しています。この手取本町一帯は県下でも最も交通量の多いところで地下道の完成が待たれていました」

完成から50年を過ぎ、ひび割れや漏水もあってやや暗い雰囲気になっていた地下道ですが、2023年に白を基調とした明るいイメージにリニューアルされました。照明や防犯カメラも新しくなり、明るく安全な通路に生まれ変わっています。