県警に聞く「ワルモン誕生秘話」
「こちらから様々な広報をしても、詐欺がなかなか止まらないのが現実です」
県警・生活安全企画課の釜賀ルミ警視は神妙な面持ちで語った。熊本県内で「異常事態」が起きているからだ。
今年、県内で特殊詐欺の被害が急増。被害総額は8月末時点ですでに去年1年間の2倍以上、約6.6億円にまで膨れ上がっている。

そこで県警は、9月15日の敬老の日を“Xデー”として、県下一斉に集中対策をすると決めた。
そんな中で、民間企業から県警に提案されたのが『ワルモン』の原型だ。
「警察が、悪者をキャラクターとして取り上げるなんて…」
初めは県警内で懐疑的な意見もあった。しかしワルモンの「自ら手口をペラペラ話してしまう」性格は利用できると判断した。
実際、今年の被害者たちの大半が「最近の詐欺の手口をよく知らなかった」と答えていて、何よりも「興味を持ってもらうことが大切」と考えたのだ。
そして、ワルモンは新たな「詐欺対策の顔」に抜擢された。