30歳になったら、故郷でコーヒーショップを開きたい――。若きバリスタの夢と命は、交通事故によって絶たれました。
その遺志を継いだ家族の挑戦は、事故から6年経った今も続いています。淹れたてのコーヒーの香りと共に広がる、被害者遺族のための取り組みとは。
【この記事は前・後編記事の「前編」です】
【後編はこちら】「その仕事に価値はあるのか?」バリスタだった息子の事故死、二次被害、裁判・・・悲しみの先で見つけた「一杯のコーヒー」にできること

叶う目前だった夢
「息子は『30歳になったら熊本へ戻ってコーヒーショップをやるんだ』と、本当に楽しそうに話していました。私も一緒に暮らしていたので『本当そうだね』『来年30歳だね』って」
今年9月、高校生に「命の大切さ」を伝える講演会を開いた深迫祥子さん。
夫婦でコーヒーショップを営みながら、事件や事故の被害者支援を続けています。
深迫さん自身も交通事故の遺族です。
語ったのは、2019年に亡くなった息子・忍さんについて。












