なぜ凍らせた?聞いてみると…
作り方の謎は解けましたが、そもそもなぜ「商品を凍らせて、それを客に溶かしてもらおう」と考えたのでしょうか?
その答えは、メーカーの社内報にありました。
今から54年前、1971年5月号の『冷やして食べましょうキャンペーン』という表題の記事です。
そこには「熊本市中心部のアーケード街で氷の中に陣太鼓を詰めて凍らせたところ、凄まじい反響だった」とする様子が記されていました。

『ある中学生などは三時間ほどかけて、丁寧に一個取出して持っていきました。中には小石をひろってけずり取っていた子供もおり、大人も必らずさわって、取ってみようとする気持ちがあるのですが、さわってつめたさを喜こんでいたようです』(「お菓子の香梅」社内報 1971年5月号より抜粋)
当時抱えていた課題が、誕生のきっかけだったといいます。
お菓子の香梅 取締役企画部長 副島慎吾さん「どうしても、夏場は和菓子が売れなかったんです。社内では『陣太鼓は冷やすとおいしい』という声があがっていて、それを大々的にアピールしたいということで始まった。地元の高校野球の応援のため、球場に設置したのが始まりだったと聞いています」