夏の熊本に現れる「巨大氷」。しかも、お菓子がたっぷりと閉じ込められた、触って楽しむ氷です。

熊本県外の人が「見たことがない」と驚くその氷、さらに熊本の人でも「見たことがない」であろうその作り方に迫ります。

夏祭り会場を覗いてみると…

氷に集まる子ども達

高さ約50センチもの氷の塊が、台の上に鎮座していました。集まった子ども達は、氷を溶かしてお菓子を取り出そうと、左右の手で交互にナデナデ・・・手が冷えてきたら、体の中でまだ冷えていない場所を探して・・・肘でもグリグリ…

「冷たい~」「いける?いけそう?」「手が赤くなってきた、やばい!」

中には20分ほどかけてようやくゲットした子も。取り出したお菓子は、そのままプレゼント、持ち帰ることができます。

誰が、何のために?

この氷を設置しているのは、熊本の老舗和菓子メーカーです。主に7月と8月、熊本県内のお祭りやイベントなどに呼ばれた場所に設置しています。

熊本生まれ熊本育ちの筆者(26歳)も子どもの頃、氷を見かけると必ず駆け寄って触っていました。1分もすると手がジーンとしてきますが、暑い日には、それもまた心地よいものでした。

中学生たち「手が赤い!!」

20年間抱いていた疑問

中に入っているのは、丸いフィルムに羊羹と求肥が詰まった「陣太鼓」という熊本県民にはおなじみの和菓子です。

当時から不思議だったのは、「陣太鼓が氷の中に浮いているかのように凍っていること」。水の中に固形物を入れれば、底に沈むか浮いてしまいそうですが…一体どうやって凍らせているのでしょうか?

長年の疑問だった氷の謎。制作を請け負う氷店に取材してみると、そこには納得の仕掛けが隠されていました。

ヒントは、溶けた氷から所々飛び出している「糸」です。

糸を引っ張ってみる子ども達 そんな簡単には取れません!