「氷の中に浮かぶ和菓子」の裏側
向かったのは熊本市西区の氷店。1人の職人が木枠に向かって黙々と手を動かしていました。

木枠には、ナイロンの糸に結びつけられた陣太鼓が吊り下がっています。
そう、氷の中の陣太鼓は、この「木枠」と「糸」によって支えられていたのです。
作り方は?
一本の氷に使う陣太鼓は32個。パッケージが「平たい円柱形」であることを活かします。
①まずは、円柱形の陣太鼓一つ一つの側面に糸を結んでおく。結んだあとの糸は長めに伸ばしておく。

②糸を使って陣太鼓を一つ木枠に結ぶ。すると、陣太鼓が宙に吊り下がります。
③吊り下がった陣太鼓の側面に、次の陣太鼓の糸を巻き付けて結ぶ。すると、陣太鼓がもう一つ吊り下がります。
③の作業を繰り返すことで、陣太鼓が何個も吊り下がった一本の長い糸になるのです。

工場長の本田さんが手際よく糸を動かし、位置を調整していきます。
アイスランド九州 本田良三さん「一つ仕上げるのには1時間ちょっと。もう30年ぐらい作っていますね」
最後の糸に、重りを結びつけて安定させれば準備完了です。
型に入れて水を注ぎ、マイナス7℃で5日間、ゆっくりゆっくり凍らせ、長さ1mもの氷の柱が出来上がります。