熊本経済の動向に詳しい、地方経済総合研究所の嶋田英岳さんに聞いた

――昨年度の焼肉店の倒産が過去最多になったというデータもあるが

「チェーン店も地場店舗も厳しい経営環境は共通していますがコロナ禍をなんとか乗り切った後は、昨今の食材費や人件費の高騰で息切れするところもでてきているようです」

――肉の仕入れ価格について

「2020年を100とすると、今では2割以上、値が上がりしています。この背景には餌代の高騰や燃料費の高騰などが挙げられます」

――人件費について

「熊本県内の最低賃金も年々上がっていますので、人件費の支払いの負担が増えています」

――それでもなぜ出店が相次ぐのか

「焼肉」という業態の参入のしやすさが競争を激化させている要因だと思います。チェーン店の強みは、
・スケールメリットを生かした安定した仕入れ
・進出、撤退のトータルで見た採算確保
・広告宣伝などPRする力、資金力                         一方で地場店舗は、チェーン店のようなスケールメリットが生かせない、広告宣伝などのPR力に課題があるため、大手と地場の二極化は避けられないのかもしれません。

――地場店舗にも頑張ってほしいが

「その店舗にしかないメニューの開発や、働き手への魅力アピールというのが重要になってくると思います」