復旧費用はどこがいくら負担?

(解説)復旧に向けての道のりについて、熊本県とJR九州で立ち位置の違いがありました。熊本県や地元市町村は、費用の負担があっても何としても復旧をしたい。一方、JR九州は肥薩線が赤字路線だったため、復旧には慎重で、どこまで費用負担が軽減されるかを重視していました。

では費用負担を具体的に見ていきます。

JR九州は復旧費用が総額約235億円かかると見ています。

県が示した計画では、国の災害復旧の補助を活用することで、その大半を国が負担し、JR九州の負担は約25億円に抑えられています。

さらに、年間7.4億円かかるとみられている運行が再開した後のレールなどの維持費も、県や地元市町村が負担する計画です。

県や地元市町村はできることは必ずやるという姿勢で進めてきました。しかし、利用者を増やさないと肥薩線は赤字路線の解消には至りません。

県は観光施設や沿線の景観の整備、新たな観光列車の導入など20の策を示して利用者を増やそうとしています。

この利用者増に向けた取り組みの初期投資は114億円、維持費の負担も含めて多くの税金が投入されます。

肥薩線は地元の人たちの通学などで重要な役割を果たします。一方で費用に見合った効果が得られるのか、県が示した具体策をいかに実行していくのかが問われることになります。