深刻な高齢化と後継者不足

今回の品評会でも、優秀なお茶の産地に贈られる「産地賞」を25年連続して受賞した八女市。

その”八女茶ブランド”を、長年にわたって全国に広めたのは「八女伝統本玉露」の存在があったからです。

しかし・・・

霊厳寺共同製茶 徳永慎太郎さん
「一番は後継者不足ですよね。僕も40歳以下の茶業青年の会という会にいるんですけど、僕が入った15年前くらいは、会員数が100名以上いたんですよね。でも、今年になると会員数が44名なんですよ。昔から伝統ある八女茶を引っ張ってきたのが『伝統本玉露』であって、そこだけは絶対守っていきたい」

徳永さんが口にしたのは、生産者の高齢化と、後継者不足への危機感。

八女茶の生産者は、この10年で半数近くまで減少し、八女伝統本玉露にいたっては、生産量も約4分の1にまで落ち込んでいるのです。

こうした中、八女市では7年前、新たに農業を始める人に対して最長3年間・最高300万円を補助する支援策を打ち出しました。

しかし、この制度を利用したお茶の就農者はこれまでに4人と、生産者の高齢化には太刀打ちできない厳しい状況が続いています。

ただ、お茶をめぐる環境は近年、追い風も吹いているといいます。

JAふくおか八女 茶業課 室園悠介さん
「いま、お茶業界は国内外で非常に注目されている作物だと思うんですね。特に抹茶のほうでは海外からの注文も多くきていますし、将来性はあると感じている」