試行錯誤重ねたこだわりの製法で日本一に

徳永さんが手がけるお茶は、玉露の最高峰といわれる「八女伝統本玉露」。

このブランドを名乗るには、いくつか厳しい条件が課されています。

その一つが「わらがけ」です。

収穫前に、天然のわらを使用して、あえて日光をさえぎり、通常の煎茶にはない深い甘みや旨味を引き出します。

また収穫は、手摘みで行わなければなりません。

さらに、そのタイミングにも、徳永さんのこだわりが光ります。

霊厳寺共同製茶 徳永慎太郎さん
「この畑の中に50人くらいの人に来てもらって、一気に収穫してもらいます。摘んだところからどんどん空気にあたって酸化していくんですよね。それが進むと、色が赤くなったり、香りが変わっていってしまうので、一気に摘んだほうが品質は格段に違います」

他にも、肥料の組み合わせや「わらがけ」のタイミングなど試行錯誤を重ねながら、10年かけてようやく手にした日本一。

手間暇を考えれば時代に逆行しているともいえる伝統の玉露づくりに徳永さんはなぜ、こだわるのでしょうか。

霊厳寺共同製茶 徳永慎太郎さん
「昔から伝統ある八女茶を引っ張ってきたのが「伝統本玉露」であって、この八女茶の産地には欠かせないものです。そこだけは絶対守っていきたい」