慶應義塾大学病院などの研究チームは、アルツハイマー病の疑いを3つの質問をするだけで判別できる方法を確立したと発表しました。

早期発見、早期治療につながればと、当事者とかかわる福祉の現場からも期待の声があがっています。

簡単な3つの質問はこれ

発表された、認知症の主な原因とされるアルツハイマー病の疑いがある人を簡単な方法で見分けることが可能な質問は、3つです。

1現在、困っていることはありますか?

2現在、楽しみはありますか?

3最近、気になるニュースはありますか?

慶應義塾大学病院によりますと、「困っていることがあるか」と「気になるニュースがあるか」という質問には「ない」と答え、「楽しみがあるか」という質問には具体的に回答した人は、アルツハイマー病の精密検査で、83.3%が陽性だったということです。

慶應義塾大学病院・メモリーセンター長 伊東大介 特任教授「アルツハイマー病の特徴というのは『取り繕い』と言いますが、『自分が健康である』『元気である』ということを第三者、家族以外の人にアピールする、正しい答えを伝えたいということで、助け船を付き添いの人に出す」

質問に直接答えようとせず、隣にいる同伴者の方を振り返って手助けを求める「振り返り動作」をした人の87.0%が陽性だったということです。

慶應義塾大学病院・メモリーセンター長 伊東大介 特任教授「これまでアルツハイマー病の診断というのは心理テストを行っていました。10分から15分ぐらいで行いますけど、計算をしてもらうとか、物を覚えてもらう。患者によってはかなりストレスを感じるんですね。3つの質問とか、振り返りサイン兆候というのは、普通に問診している中で盛り込むことができるので、患者にストレスなく評価することができます」