弁護側「投棄したという事実を争う」

一方、弁護側は「『投棄した』という事実を争う。死体遺棄については無罪」と主張した。弁護側は、次回の裁判で冒頭陳述を行い、無罪を主張する理由を述べることになっている。事件当時のグエット被告の様子を立証するため、産婦人科医の意見書を準備する方針だ。具体的には、当日のグエット被告がどんな体調だったのか、どれほど過酷な体の状態・精神状態だったのか、妊婦あるいは死産したお子さんを産み落とした母親の体の状態などを、専門家の視点で意見を述べてもらうという。

法廷で小さく手を振った仲間の技能実習生

傍聴には、グエット被告と同じように来日した仲間の技能実習生たちも訪れていた。初公判が終わると、退廷前に再び腰縄をつけられるグエット被告をじっと見つめていたが、勇気づけるためだろうか、ひとりが小さく手を振るとグエット被告の顔がこの日初めて少しだけほころんだ。まだあどけなさの残る、普通の20歳の女の子に見えた。