『ゆうちゃん』と一緒に小学校や幼稚園などで交通安全を呼びかけて、27年になります。ボランティアを続ける理由を尋ねると…

出野敏子 さん
「根本的なこと、なんですか?と言われたときにやっぱり祖父の事故死かなと思う」

ボランティアを始める数年前、出野さんの祖父が道を歩いていた際、車にはねられ亡くなりました。90歳を過ぎても元気に過ごしていた祖父との突然の別れでした。

出野敏子 さん
「交通事故というのは周りの人もそうだけれど、本人ももっと生きたかっただろうにと思う。突然、(命が)奪われてしまうじゃないですか」

さらに、去年10月、心を痛める事故がありました。出野さんが住む安佐北区で居眠り運転の車に小学生がはねられて亡くなりました。

出野敏子 さん
「みんな、これから(将来を)楽しみにしていたと思うとたまらない。わたしができることは限られているが、『ゆうちゃん』と交通安全を伝えていけるのはうれしいことだし、子どもたちには元気に大きくなってほしいと本当にそう思う」

今月8日、出野さんと『ゆうちゃん』は27年間にわたり交通事故の抑止に貢献したとして警察から感謝状が贈られました。

安佐北警察署 竹重幸司 署長
「交通安全は教えるの難しいが、2人の力のおかげで子どもたちは分かりやすく楽しく交通ルールを学ぶことができている」

出野敏子 さん
「交通事故でけがをしたり、お亡くなりになられたと聞くのは嫌なので、少しでもみんなが自覚して事故が減ればいいなと思う」

表彰式が終わったあと、『ゆうちゃん』にも話を聞きました。

ゆうちゃん
『うれしい。恥ずかしいよ』

― これからも出野さんと活動を続ける?
『仕方ないね。これからもあの人とやっていかないと』