小宅世人 アナウンサー
マツダスタジアムの実況席です。広島カープは、練習を終えて、今、横浜DeNAベイスターズが練習を行っているんですが、きょうは球場の上空、分厚い雲がかかっておりまして、比較的涼しい中でのゲームになりそうです。

カープの練習を見ていたんですが、なんと要の 菊池涼介 選手がバッティング練習をしていなかったんです。新井貴浩 監督に聞きますと、きのう(5日)の試合、ヘッドスライディングのタイミングで左手をついてしまって、親指をけがしてしまったと。きょうのゲームはスタメン出場はないけど、代走での出場はあるんじゃないかなという話がありました。

きのうは劇的なサヨナラ勝ちをしました。
広島 vs. DeNA マツダスタジアム 9月5日
3位・DeNAをホーム・マツダスタジアムに迎えて行われたカード初戦。この日の先発は、8月2日のDeNA戦以来、勝ち星のない 森翔平 。

その立ち上がり、ストライク先行のピッチングで三者凡退に抑えると、3回には先頭バッターに出塁を許しますが、9番・坂本のバントを迷わずセカンドに送球し、ダブルプレーに。落ち着いたマウンドさばきで強力DeNA打線を抑え込みます。
ところが、4回、この回もテンポよく2アウトとしますが、ハマの4番・牧にストレートをとらえられ、レフトスタンドへ。先制を許します。

しかし、やられたらやり返す―。そのウラの攻撃。ヒットとフォアボールでノーアウト・満塁とチャンスを作り、打席には6番・坂倉将吾 。変化球を巧みに流してタイムリーヒット。すぐさま同点に追いつきます。

1点を返し、なおも満塁のチャンスで3か月ぶりに帰ってきた7番・マクブルーム。サードゴロの間に3塁ランナーが生還。逆転に成功します。

カープ打線は、まだまだ止まりません。5回、1アウト・満塁とまたもやチャンス。打席には7月16日以来の4番起用・菊池涼介 。ストレートをとらえた打球が2遊間を破り、タイムリーヒット。2塁ランナーまでホームへ返し、リードを広げます。

援護をもらった森は、6回まで投げて3安打1失点と好投。勝利投手の権利を持ってマウンドを後続に託します。
しかし、8回、3番手の 島内颯太郎 が、2アウト・ランナー2塁・1塁とピンチを招き、打席には9月、好調な2番・桑原。甘く入ったストレートをレフトスタンドまで運ばれて、3失点。試合を振り出しに戻されます。
さらに9回には、矢崎拓也 が、1アウト・満塁と正念場を迎えます。打席には8番・山本。フルカウントからの6球目、変化球が高めに抜けて、押し出しのフォアボールに。土壇場でDeNAに勝ち越しを許します。

1点を追いかける9回の攻撃。先頭の代打・松山竜平 が、センターへのヒットで出塁。その後、2アウト・ランナー3塁とチャンスを広げて、この試合、マルチ安打を放っている2番・野間峻祥 。フォークに執念で食らいつき、内野安打に。カープが土壇場で同点に追いつきます。

そして、迎えた延長10回の攻撃。2アウトから連続のフォアボールで一打逆転のチャンス。迎えるバッターは、今シーズン初の1番・堂林翔太 。

変化球をとらえた当たりはセンター前へ。前進守備でしたが、3塁を蹴った 曽根海成 がタッチをかいくぐるヘッドスライディングでみごと生還します。

カープは、これで今季6度目のサヨナラ勝利。試合をあきらめない全員野球で3位・DeNAにまずは1勝です。

広島カープ 堂林翔太 選手
「矢野が回してくれたので、もう打つしかないと打席に入った。みなさんの後押しでヒットを打つことができました。あしたからもがんばります。応援、よろしくお願いします」

小宅世人 アナウンサー
まさに、すばらしい全員野球で勝利ということで劇的な結末だったんですが、堂林翔太 選手も5日のタイムリーヒットについて、「いや、(曽根)海成が還ってきてくれたので本当に助かりました」と話していまして、その前の 矢野雅哉 選手の打席についても「矢野の姿を見て、なんとかしないといけないと思った」と話していました。心強いです。
そして、先月12日に右足のけがで登録抹消となった 秋山翔吾 選手が2軍で復帰戦に臨みました。