標高およそ400メートル、島根県境にある大朝地域です。コシヒカリの産地ですが、高齢化率が4割を超え、後継者不足が悩みです。

そんな中、水口さんが5年前から試験的に栽培していたのが「わさの舞」、品種名「いのちの壱」でした。県内では無名のコメですが、おいしいと聞いていたからです。

水口一真 さんたち
「ことしの『いのちの壱』の前途を祝して乾杯!」
「鬼うま! ほんまに聞いたとおり」「めちゃ、うまいです」
取り組みにお墨付きを与えたのが、これでした。京都の老舗米穀店「八代目儀兵衛」が主催するコンテストで去年、ベスト12にあたる敢闘賞を受賞したのです。

水口一真 さん
「正直、うれしかったです。すごくいいスタートが切れたなと思っています」
さっそく、ブランド米作りに乗り出し、大朝小学校の協力を得て、児童たちに名前の案を出してもらいました。

お礼の言葉 前河彩織 さん(6年)
「どんな名前がいいかな? 大朝らしい名前がいいよねと一生懸命考えました。たくさんの人に食べていただいたらうれしいです」
ことしは、水口さんら地区内の農家3軒が2.4ヘクタールで栽培、10トンの生産量を目指します。

袋に記されたローマ字にはこんな思いもありました。

生産者 水口一真 さん(40)
「輸出の可能性を具体的に探しています。海外でも売れるんじゃないか、勝負できるんじゃないかなというふうに思っています」

柴田和広 記者
「この『わさの舞』、今、ちょうど稲穂に白い花が咲いたところです。生育は順調とのことで、このあと、実が入り、9月の下旬ころ、収穫予定です」