神楽甲子園、初日―。会場には朝から多くの人が詰めかけました。

岩手県に古くから伝わる「葛巻神楽」です。披露しているのは、新型コロナの影響で4年ぶりの参加となった岩手県の葛巻高校。甲子園に参加するのも、広島に来るのも、初めてです。

岩手・葛巻高校 神楽部部長 田澤和珠 さん
「ホテルの近くのお好み焼きを食べました。おいしかったです」
そんな生徒たちには心配なことがあります。

田澤和珠 さん
「岩手県は、やっぱり(広島より)全然涼しいので、葛巻の夏とは比べものにならないくらい暑いです」
会場周辺の気温は33℃。慣れない暑さの中、最後まで舞い切れのるか―。緊張と不安を感じながらも4年ぶりの参加に期待が高まります。

岩手・葛巻高校 榎本ゆう花 さん
「自分たちが出られることが当たり前ではないと感じている。そのありがたみを演舞したい」

「がんばるぞ!」「おおー!」
東北の「山状神楽」の1つ、葛巻神楽―。激しい舞いが特徴です。演目「鶏舞」は、おんどりとめんどりが対になって、しなやかに舞うことで夫婦円満を願います。

さらに扇や手綱を使って側転をするダイナミックな舞いで無病息災や平和を願う「権現舞」。
クライマックスは、獅子の「頭かじり」です。厄を払うといわれ、観客の中にはこれを目当てに甲子園に来たという人も…。大人も子どもも “頭かじり” をしてもらおうと一斉に手を挙げ、舞台は盛り上がりを見せました。

岩手・葛巻高校 神楽部部長 田澤和珠 さん
「他県の人に見てもらえるのは貴重な機会で、準備のときに声をかけてもらって、楽しみにしてもらっていた方々に見てもらえてうれしい」
甲子園、2日目…。トリを飾るのは、吉田高校(広島市・安芸高田市)です。

吉田高校 神楽部部長 乗田佳穂 さん
「緊張してますね。わたし、きのうも眠れなかったので緊張しています。みんながいるのと、きのうもがんばれと応援されてきたので、がんばっていこうと思う」
本番当日を迎えて部員にも緊張が走ります。
吉田高校 陶晴賢役 島田颯斗 くん
「本番前になると、おなかをくだすんですよ。めちゃ緊張します。トイレにずっとこもってますもん」

あわただしく着替えやメイクの仕上げをしていると、「厳島合戦」の台本作成を企画した 下岡佑也 さんも応援に駆けつけました。

『厳島合戦』を企画 下岡佑也 さん
「部長さんに『(神楽甲子園で)厳島合戦を』と言ってもらえたのは、純粋にうれしい。元就と神楽を好きないろんな人に興味をもってもらって、安芸高田に来てもらうきかっけになればと思う」