ラタンのチェストが500円⁈ リサイクルマーケットが激安な理由は…?

広島県庄原市山内地区。人口1500人余り、高齢化率49%というこの地域で、6月最後のこの日、平日にも関わらず、ひときわにぎわう場所がありました。

雨で濡れてしまったラタンのチェストを500円で購入する女性。
「ジャガイモ入れるのにいいんじゃない? 風が通って」

「山内リサイクルマーケット」と題された4回目の取り組みで、無料の食器類から最高額は7千円のミシンまで様々なものが出品されています。

楊行李も黒電話も、鉄製のアイロンまで…全て500円。

木製の棚を「100円か300円か」で購入する母と娘。
Q.即決でしたね?
「アンティークなのもいいし、子どもがオモチャを入れたりするのにちょうどいいかなと」「釘が使われていないところも」

まだまだ使えそうなものでも、激安で販売されるのには、ワケがありました。実は全て空き家から運び出された不要品だったのです。

同じ山内町内にある木造2階建ての空き家です。ここにあった家財道具や日用品は、軽トラ6台分。半分はゴミとして処分されましたが、残り半分はリサイクルマーケットに出品されました。

山内てごぉし隊 寺西玉実さん
「今回はこの空き家の持ち主が依頼した方々(業者)から、『全部品物をなくしてください』とお願いされて、全て出させて頂いております」

山内地区の空き家対策の仕組みはこうです。
まず、空き家の所有者や、販売や賃貸契約を委託された不動産業者が、「山内てごぉし隊」に不要品の処分を無償で依頼。
てごぉし隊は、家財道具を運び出し、リサイクルマーケットを開催。
その売り上げで、廃棄する物の処分費用を賄い、さらに残った売り上げは、地元の保育園と小学校の教育支援金になる、ということです。