
おそらく、1つは、G7の結束。やはり支援疲れということが、戦争の長期化で、特にアメリカはこれから政治の季節に入りますから、今の与党の民主党よりも共和党の野党の方がより支援の度合いってのは少し低い。すなわち、よりアメリカの切実な自分たちの問題に取り組まなきゃいけないんじゃないかと。ウクライナにいつまで支援をしているんだっていうことは極めて少数派ながらも、そういう声が現にあるわけですね。
そういった中でゼレンスキーさんは、ここが勝負どころだと思って、G7に連帯・結束、さらに兵器を含めた支援の要請、復興もそうですけども来ているはずなので、その覚悟を持ってもらうと。気をつけなきゃいけないのは、これが軍事同盟になっちゃいかんという話なんです。戦争をするための同盟じゃないんです、G7というのは。やはり平和を築く、平和を構築していく同盟なんですよ。法の支配に根ざして。

もう1つ、大切なのは、ゼレンスキーさんがしっかりと原爆資料館、わたしはたぶんご覧になると思います。さきほど、休憩時間にウクライナの外交官からメールが来たもんですから、今、あなたの大統領があした、やって来るっていうことを聞いて、非常にわたし自身はうれしく思うし、ある意味、エキサイティングな気持ちだけども、ぜひ、あなたの大統領に原爆資料館に寄ってくれと言ってくれと。ぜひ、勧告してほしいっていうメールをさっそく送ったんですが、岸田さんが案内をして、ロシアの核使用のリスクが高まっている中、核の使用は絶対許されない、ウクライナを被爆地にしちゃいけない、長崎こそが最後の被爆地である、全ての核を否定するメッセージを出してほしいですね。
中根夕希 キャスター
あす20日到着され、21日にサミットに参加されるんですけれども、招待国も多々いる中での発言にもなると思いますが。
共同通信社 編集委員・論説委員 太田昌克 さん
ウクライナの戦争が始まって、もう1年3か月近くになる中で、国連総会、国際の平和と安全を本来は付託されている国連安保理が、ロシアがいるから機能しないわけですよ、戦争当事国が。そうなると、国連総会という場を中心に世界のメッセージを発していかなくてはいけない。
しかし、実はグローバルサウスと呼ばれている新興国と途上国にはロシアと近い国が少なからずあるんですね。だから、どうしてもロシアにそん度しているところはあると思うし、それぞれの国、インドなんか、中国と国境紛争を抱えている中でロシアは非常に重要なある意味、盟友なんですよね。国連安保理で拒否権を持っている国ですから。カシミール紛争をインドは持っていますから、パキスタンと。

そういったそれぞれの国益があるんだけれども、そこを何とか超克して、やはり、この戦争を早く終わらせなきゃいけないんだ。制裁を強めて、これ以上の戦争を続けると逆にロシアの国民は本当に傷ついていくんだ。だから早く戦争をやめてほしい。外交しなきゃいけないんだっていうことをインドやインドネシア・ベトナムを中心にそういったアウトリーチの国も一緒になってG7がメッセージ出していく必要があると思いますね。
青山高治 キャスター
これだけのメンバーが平和都市・広島に集まっていると、余計に強く感じますよね。
中根夕希 キャスター
だからこそ、進歩する何かがほしいなと思いますよね。