共同通信社 編集委員・論説委員 太田昌克 さん
そうですね。こうやって1セッションでしっかり議論するっていうことは、これまでのG7のプロセスではなかったというふうに日本外務省の幹部からは聞いておりますので、やっぱり岸田さんが自分のある意味、覚悟と決意を持って、きょう、どういう声明を出してくるか。
そして、原爆資料館の視察ですよ。わたし、本来はこれを市民のみなさんに覆い隠すんじゃなくて、さっき、原田元原爆資料館長とも少しお話したんですけど、何で隠すんだって、おっしゃっていた。わたしたちが知りたいのは、この人たちが見たもの、感じたこと。そこを聞きたいんだ。人間として原爆のあってはならない、この人間的悲惨さにどう向き合っているのか。そういうメッセージをやっぱり聞きたいんですよ。
それは、広島・長崎市民のみならず、唯一の戦争被爆国といわれるわたしたちの、韓国の方も多くの方が国籍関係なく傷づいているんだけども、やっぱり被爆国といわれるわれわれ日本の市民が知る権利があると思うし、それを岸田さんが岸田さんの言葉で、せめて、首脳たちの考え方・感想・感慨、それから向かうべき方向性をしっかり国民に対しても説明するべきだと思います。

青山高治 キャスター
今は大鳥居を前に笑顔で記念撮影をしましたG7各国の首脳ですが、本当に午前中の平和公園を訪問したときには原爆資料館を出てきたときの表情なども注目されましたもんね。
共同通信社 編集委員・論説委員 太田昌克 さん
そうですね。たいへん、みなさん、神妙な顔をされていたしね、やっぱり思うところがあったと思うんですよ。被爆者の 小倉桂子 さんと対話をされて、何を感じ取ったか。そして、この宮島をながめる。日本の歴史、ある意味、この戦争の歴史っていうものを知ることによって、日本・アジア・世界でもう二度と戦争を起こしてはいけないんだ、そのためにはどうしたらいいんだっていう外交の知恵をめぐらすっていうことがなにより大事なんですよね。まさにこの9人ですかね、EU(ヨーロッパ連合)の委員長・議長を入れまして、そこが問われていると思うんですね。
中根夕希 キャスター
そしてまた今回のサミットできょう、まさに入ってきた大きなニュースの1つにウクライナのゼレンスキー大統領が広島に、対面でこのサミットに参加されるということですが?
共同通信社 編集委員・論説委員 太田昌克 さん
ゼレンスキー大統領にとってもたいへんな覚悟と決意を要したと思うんです。なぜなら今、最高指揮官。戦争が起きている。これから反転攻勢をやろうとしている。もう始まっているかもしれませんけどもね。そして、バフムトを中心にロシアとの
消耗戦がずっと長期化している。両方とも推計によると20万人の死傷者がそれぞれ出ているんじゃないか、そういう推計もあるんです。今、この瞬間も自分たちの国民が命を亡くしているっていう、そういった中で広島をあえて訪れる意味ですよね。