3年ぶりに開かれたコンサート、「広響ファン感謝デー」(1月22日)です。団員とスタッフ全員が参加します。

本番10分前、楽譜などを管理している 松田弘美 さんが、指揮者の控室を訪ねます。

広島交響楽団 ライブラリアン 松田弘美 さん
「下野さん! 松田です」

広島交響楽団 音楽総監督 下野竜也 さん
「これでお願いします。このまま(指揮台へ)置いていっていただければ、あとはやりますので。指揮棒は置いています」

当日、指揮者が使う楽譜は、このタイミングで預り、指揮台まで届けます。すべての準備が整い、広響とファンをつなぐコンサートの始まりです。

楽団員が、曲の中で登場する動物の衣装をつけて演奏する場面もありました。

音楽総監督・下野さんのトークもさえて、会場は始終、和やかな雰囲気に包まれていました。

音楽総監督 下野竜也 さん
「楽しんでくださることが、われわれの一番のやっぱり喜びですし、楽しんでいただくことが、われわれの使命ですから。(お客さんの)お顔を拝見しながら楽しんでいらっしゃる様子、うれしかったです」
招かれた会員たち
「ファンの方のためにね、すごい感激です」
「家族的な雰囲気がしますからね。そういうところが好きですね」
『創立60年 広島交響楽団の歴史と未来』

広島カープやサンフレッチェ広島とともに「広島の3大プロ」といわれているのが、広島交響楽団(広響)です。日本のどの都市にも広響のようなフルオーケストラがあるわけではないのです。被爆後の広島で演奏家たちが集まり、「市民楽団」としてスタートした広響。広島にオーケストラがあることの意義をもう一度、確認する必要があるのかもしれません。

広響の誕生は1963年。アマチュアの市民楽団が、その前身です。音楽に希望を見出した演奏者が集まって結成されました。翌年、初代の常任指揮者に 井上一清 さんが就任します。演奏活動に情熱を注ぎ、戦後の広島の音楽界をリードしました。

第1回定期演奏会を指揮 故・井上一清 さん(現在、名誉創立指揮者)
「興奮と責任の重大さに打ちひしがれる感じ。何かをやり遂げることについての感動はみなさんの心の中にあったんじゃないでしょうか」
