本名
そうすると今後、海外の展開もあり、そして県産材もあり、ということで、この2本でいくということですか?

中本社長
そうですね。まだまだ国産材もね、今の庄原だけではなく、いろいろまた何かの出会いとかチャンスがあれば、また考えていこうと思っています。

本名
そうですか。国産材の方で、これからまだまだ伸びる余地があるように思うのですが、どうご覧になりますか?

中本社長
あると思いますね。これから。ただ、日本の今の問題は、国産どんどん使えとかSDGsとかいわれるんですけど、切った後に植えてないんですよね。これが一番の問題だと思います。ニュージーランドの場合はわたしら、土地は持っていないんです。木は持っているんですけど。その土地をレンタルするのにですね、切ったら1年以内に必ず植えなきゃいけない。だから、わたくしどもの商品を使っていただければいただくほど、使った分というのは、ニュージーランドのまた木を植えて、またCO2を蓄えていくと。どんどんどんどんCO2の蓄積量を増やしていくことができるんですが、日本の場合は切りっぱなしなんですね。その後で植林というのが、なかなか…。日本全体で30パーセントですね、再植林というのが。

本名
そうなんですか。

画像提供ウッドワン

中本社長
放置林といわれていますが、7割放置されています。

本名
そういう山を見ることがありますね。その流れは変えたいと思われませんか?

ウッドワン 中本祐昌 社長
変えたいですけどね。そういう面じゃ、本来、わたしらが利益の出る商品を作って、同時にそれをある程度、山元に還元できればと思うのと、同時にやっぱり国がルールを作らないといけないと思いますね。今、精鍛込めて、わたしらも山主の1人ですが、50年・60年と育った木がもっと付加価値のある使い方、また、木材がもうからなくなった理由というのが、魚でいうとトロの部分、マグロだったらトロが高く値段が取れますでしょう。脂がのっておいしいとかね。トロが値段が取れて初めて赤身とかどの辺がリーズナブルな値段で出せるんだろうと思うんですよ。木材の場合はですね、枝打ちして、外の節のない一番、本当にいいところが、使う場所がなくなったんですよ。子どもの頃、いなかに行かれたら、「長押(なげし)」とかいろいろありましたでしょ。

「長押」 画像提供ウッドワン

今は長押のある家なんてないですからね。そういう “トロ” が使えるところがなくなっているのが、日本の1つの林業からわたしら製造まで含めた問題だと思いますね。そういうものを、やっぱり新たな提案を今後できていけたらと、商品開発的には思います。そうやって、わたしらが関与することによって、日本の木材産業自体が本当の意味のSDGsとして社会に貢献できるような産業にまたなっていけばと思っています。

本名
建築工法などもずいぶん進歩して、木造の高層ビルができたりという動きもありますから、まだまだ活躍の場はいっぱいあるんじゃないですかね。

中本社長
楽しみですね。

(RCCラジオ「本名正憲のおはようラジオ」2023年2月16日放送より)