タイトルは、《戦後80年内田也哉子ドキュメンタリーの旅「戦争と対話」》。
長野県にあるローカル局・信越放送が初めて制作したドキュメンタリー映画ですが、その本数はなんと6本!そのワケとは?

無言館 窪島誠一郎共同館主
「戦争ってのは敵も味方もいないんですよ」

この作品は、エッセイストの内田也哉子さんを旅人に、長野県にある信越放送がこれまでに手がけた戦争に関係するドキュメンタリー番組を一緒に振り返って、今の視点から見つめ直す、というものです。

6本の作品ごとに、それぞれ縁のある人が出演して、内田さんと対談します。

映画プロデューサー 阿武野勝彦さん
「本当は信越放送の戦争に関連するドキュメンタリーでしたら、六本どころじゃなくて、もっとたくさん紹介したいなと/思う作品がありました」

企画・プロデュースは、阿武野勝彦さん。これまでテレビ局発のドキュメンタリー映画を数々生み出した、名物プロデューサーです。

企画・プロデュース 阿武野勝彦さん
「やっぱり、地域の放送局は、その地域の歴史をきちんと掘り起こしていかなければならないんじゃないか。信越放送の場合には、(長野県から)満蒙開拓団が1番たくさん出ていった、で、そこを掘っていくと、戦争の被害だけじゃなくて、加害っていう問題にぶつかってくんですね」

被害と加害の両方から目を背けず、丁寧に歴史を掘り起こす…。今回の6作品には、随所にそれが現れます。

1作目では、戦没画学生の作品を集めた美術館「無言館」の窪島さんがその不条理を口にします。

無言館 窪島誠一郎共同館主
「残酷な想像ですけど、画学生たちが戦地に行って、向けた銃の先に、実は画を描いてた仲間もいたかもしれない」

内田也哉子さんは、去年、この無言館の共同館主となりました。

6作を通じて、内田さんが過去の番組と向き合い、ゲストと対話を進めるにつれて観ている私たち自身も、何かと対話するような感覚を味わいます。

戦後80年となった今年、改めてこの映画を届ける意味、とは?

企画・プロデュース 阿武野勝彦さん
「隣の人にこんな歴史があるのかもしれないっていうことのような気がします。長野の人じゃなくって、広島の今住んでいる隣の家の人の歴史の中に、こういう人生というか、戦争との関わりがある人がいるかもしれない」
「戦争に関連する体験者のお話をきちんと聞き取って、私たちはやっぱり好戦的にならずになんとか踏みとどまる方法を考えていかなきゃならない。そういう意味でも、この戦争と対話っていうシリーズを見ていただきたいなという風に思ってます」

広島では、12月20日(土)から2026年1月9日(金)まで、横川シネマにて、6作品が日替わりで上映されます。