「隔離中、わたしはコロナ関連のニュースには、あまり触れないようにしていました。見ていると、なぜか、つらくなるからです。心配された方からLINEなどで細かなアドバイスもいただきましたが、それもきつく感じて何度かスルーをしてしまいました。」

気を使ってのアドバイスが、逆に感染者を苦しめてしまう…。佐伯所長は、たとえ、ぐちや泣き言のような話でも否定や指示をされることなく、ただ聞いてもらえることが大切だと言います。
佐伯真由美所長
「いい方法を教えてあげなくちゃという使命感に話を聞く側はかられがちですが、ネガティブな考えがグルグル回ってということであれば、まずは話を聞いて。その方がしんどいんだと言ったら、しんどかったんだねみたいに…。」
平尾直政記者
「わたしが精神的に本当にきついなと感じたのは、行動制限が解除され、自宅に戻ってからでした。後遺症のせいか、なかなか、せきは止まりません。医療関係者からうつすことはないと言われても、周囲からどう見られているかが気になって、人と会う気にはなれませんでした。会社に復職するときは緊張で肩に力が入っているのがわかりました。」

コロナ禍での心の不調は、ふつうに暮らしていると思っている人にも起こりうることだと佐伯所長は言います。
広島県立総合精神保健福祉センター 佐伯真由美所長(精神科医)
「もう十分、みなさん、2年近くいろんな小さな、さ細なことが積み重なっている人もいて。そういう人は最後の一粒でぱーっとあふれちゃうことは当然あるのかなって。こんなことがしんどいよねという気持ちを話すことは大事なことかと思います。」
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さて、新型コロナに関連した気持ちや考え方の変化の一例です。怒りっぽくなったり、気分が落ち込んだり、自分を責めたりするなどがあります。

広島市と広島県では電話の相談窓口を開設しています。匿名での相談が可能なので、つらいなあと感じている方は1人で悩まず、電話で気持ちを話してみるだけでもしてみてはいかがでしょうか?