“男性の病気”と思っていた…

番組で女性の睡眠時無呼吸症候群(SAS)をテーマにすることになったとき、多く人が口にしたのは、この言葉でした。

フリーアナウンサー桑原しおりさん
「睡眠時無呼吸って、男性が多いイメージですが、女性もいるんですか?」

広島ハートセンター循環器内科医 中村真幸医師
「睡眠時無呼吸症候群というと、“中年の太った男性”というイメージを持たれる人が多いと思います。確かに男性に多い病気ではありますが、年齢を重ねるにつれてその差は徐々に縮まっていきます。特に更年期を過ぎ、閉経後の女性では、発症率が閉経前の2倍から3倍増えるといわれているんです(*1)」
*1 出典:Menopausal status and sleep-disordered breathing in the Wisconsin Sleep Cohort StudyTerry Young et al. Am J Respir Crit Care Med. 2003

その背景には、ホルモンや体の変化が関係しているといいます。更年期以降は、女性ホルモンの分泌が減り、筋力が衰え、脂肪が増えやすくなります。その結果、眠っている間に気道(空気の通り道)が狭くなりやすくなり、気づかぬうちに「呼吸が止まる」リスクが高まってしまうのです。

桑原さん
「無呼吸って、いびきが大きい男性がなる病気だと思っていました」
中村医師
「そう思われがちですが、実は女性でも珍しくありません。ただ、女性は症状の出方が違うため、見逃されやすいんです」